安心して足場作業に取り組むために。「足場作業主任者」と「特別教育」のポイント

はじめに
日々の建設作業において安全の確保は最も重要です。
特に高所作業においては墜落や転落など、さまざまな危険が伴います。
そのため、国が定める法令により作業の危険性に応じて一定の資格や教育が義務づけられています。
これは、現場で働く人々の命を守るために欠かせない大切なルールです。
本記事では、足場作業で求められる安全措置と、「足場の組立て等作業主任者」「足場の組立て・解体・変更の作業に係る特別教育」についてポイントをご説明します。
足場作業で求められる主な安全措置
(労働安全衛生規則 第518条、564条〜575条 ほか 足場関連規定)
安全な足場作業を行うために必要な措置は法令で詳しく定められていますが、おおよそ次のような内容となります。
①作業床の設置(第518条)
高さ2メートル以上の作業では、墜落を防止するために安全な作業床を設けるか、それが困難な場合は防網の設置や墜落制止用器具の使用が必要です。
② 材料の安全確保(第559条・第560条)
足場に使用する材料は損傷・欠陥のないものを使用し、鋼管や附属金具は規格に適合したものを用いなければなりません。
③足場構造の安全性(第561条・第561条の2)
足場は強度・安定性のある構造とし、幅1メートル以上の箇所では本足場の使用が必要です。
④最大積載荷重の管理(第562条)
足場の最大積載荷重を設定し、超過を禁止する必要があります。つり足場は安全係数に基づいて設計され、労働者に周知しなければなりません。
⑤作業床の設置と墜落防止設備(第563条・第564条)
作業床は幅や隙間などの基準に従い設置し、手すり・中さん・幅木など墜落防止設備を備える必要があります。
⑥ 組立て・解体・変更作業の安全措置(第564条)
作業手順の周知、立入禁止措置、悪天候時の作業中止、墜落防止措置などが求められます。
⑦ 作業主任者の選任と職務(第565条・第566条)
作業主任者が、材料の点検、作業の指揮、安全設備の使用状況の監視などを行います。
⑧ 足場の点検(第575条)
使用前、悪天候後、解体時などに点検を行い、異常があれば補修します。
これらの措置を確実に実施するために、「安全を指揮する者」と「実際に作業する者」それぞれに資格や教育が必要です。ここからは、その中心となる二つの制度について説明します。
足場の組立て等作業主任者
(労働安全衛生法 第14条/施行令第6条第15号)
役割と選任が必要となる作業
足場の組立て等作業主任者は、足場の組立て・解体・変更作業における安全管理の責任者です。作業手順の決定、材料点検、作業者への指示、安全設備の使用確認など、現場全体を統括します。
次のいずれかの足場で組立て・解体・変更を行う場合、作業主任者の選任が義務付けられています。
該当する作業を行う際は、技能講習修了者の中から作業主任者を選任しなければなりません。
足場の組立て等作業主任者が必要となる当社商品
当社で取り扱う以下の商品は、高さ5m以上の構造となる商品です。これらの組立て・解体・変更作業を行う場合は、必ず作業主任者を選任してください。
(※商品名をクリックすると、各商品の詳細ページをご覧いただけます)
- ローリングタワー(3段以上)
- 内階段式ローリングタワー(3段以上)
- アルミローリングタワー/ ワイドタイプ(3段以上)
足場の組立て、解体又は変更の作業に係る特別教育
特別教育の概要
特別教育は、足場の組立て・解体・変更の作業に従事する労働者 を対象とした安全教育です。平成27年7月1日の法改正により、受講が義務化されました。
特別教育では、次のような内容を学びます。
- 足場の種類と構造
- 組立て・解体・変更作業の方法
- 基礎・支持力・水平出しに関する知識
- 墜落・転落防止の保護具の使用
- 災害事例とその防止策
現場で実際に作業する方の安全性向上を目的とした教育です。
特別教育が必要となる当社商品
(※商品名をクリックすると商品ページへ移動できます)
組立て・解体・変更で特別教育が必要となる商品
連結・基礎として使用される商品(状況により特別教育が必要)
まとめ
足場作業における安全確保は、単なるルールではなく、現場で働く人々の命を守るための日常的な取り組みです。
現場の状況に応じた安全対策を実施し、作業主任者の監督のもとで特別教育を受講した作業員が足場を組み立てるという仕組みにより、事故を防ぐ体制が整えられています。
当社では、足場作業に関わる多種多様な商品を取り揃えております。商品選定でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。