仮設機材を安心して選ぶために －仮設工業会と認証制度－

はじめに

建設現場における高所作業や重量物の取扱いなどでは常に危険が伴います。そうした中で使用される「仮設機材」は、作業の安全を支える重要な役割を担っています。

その仮設機材の安全性や性能を、業界全体で維持・向上させるために活動しているのが「仮設工業会」であり、同会が運用する各種認定制度です。

本記事では、仮設工業会の役割に加え、現場やレンタル業務で混同されがちな「認定品」「承認品」「単品承認品」および「適用工場」の制度について、ポイントをご説明します。　

　　　

仮設工業会とは

仮設工業会（正式名称：一般社団法人 仮設工業会）は、足場や作業台、仮設構台など、建設現場で使用される仮設機材を取り扱うメーカー・関連企業で構成される団体です。仮設構造物等に係わる労働災害防止とその工事施工の円滑化に寄与することを目的としています。

主な活動として、建設工事用の仮設構造物およびその構成機材についての必要な構造基準、使用基準等の設定して周知することや、またこれら仮設機材の試験や技術的指導をおこなうことなどが挙げられます。

仮設工業会では、一定の基準を満たした製品を客観的に評価し、使用者が安心して選定できるよう4つの認証制度を設けています。

　　

認定制度(認定品)とは

認定制度は、仮設足場や型わく支保工などの仮設構造物について、厚生労働省規格および仮設工業会が定める仮設機材認定基準に適合しているかを審査する制度です。

仮設機材メーカーが対象となっており、製造工場の認定検査（工場審査及び製品の抜取検査）で基準を満たした機材は「認定品」として認められます。

認定品は標準的・汎用的に使用される仮設機材が主な対象となっています。
認定品目一覧｜仮設工業会ホームページ

　　

当社取扱の該当機材(一例)

　　

●認定合格証と「有効期間」について

認定品には「認定合格証」が発行されます。この合格証に記載されている「有効期間1年間」は、機材の使用期限を示すものではありません。

この期間は、認定を受けたメーカーが、認定基準に適合した製品を製造できる期間を示したものです。したがって、その期間内に製造された認定品はその有効期間が切れていても認定品として扱われます。

「経年仮設機材管理基準適用工場」(=適用工場)での点検・整備・管理によって、認定品の安全性が維持され、長期にわたって繰り返し使用することが可能となります。

　　

承認制度(承認品)とは

承認制度は、「認定制度」の適用を受けないシステムとして組み立てられる仮設構造物(つりだな足場や支保工など)を対象とした制度です。

仮設機材メーカーが対象となっており、仮設構造物のシステムおよび構成部材について、書類審査・工場調査・必要に応じた強度試験を実施し、組立方法・使用方法まで含めて安全性を確認します。

現在の当社取扱品には承認品に該当するものはありません。

　　

単品承認制度(単品承認品)とは

単品承認制度は、認定基準の適用を受けない個々の仮設機材について、設置目的・設置場所・設置方法に照らして十分な安全性があるかを単品で評価・承認する制度です。

仮設機材メーカーが対象となっており、製造工場の承認検査（工場審査及び製品の抜取検査）で基準を満たした機材は「単品承認品」として認められます。

　　

当社取扱の該当機材(一例)

　　

適用工場制度とは

適用工場制度は、仮設機材そのものではなく、経年仮設機材の管理体制の構築を目的とした制度です。

経年仮設機材に関する安全性を確保するため、「経年仮設機材管理基準適用工場規程」に基づく社内管理規程により機材の整備・修理等を適正に管理する機材センターが認定されます。

適用工場には「指定工場」と「登録工場」の2種類があり、有効期間はともに3年間となっています。

　　

　指定工場：リース・レンタル会社や修理会社などが管理する機材センター
　登録工場：建設会社などが管理する機材センター

　　

●当社の取り組み

　　

最後に

仮設工業会の認証制度は、仮設機材や仮設構造物について、一定の基準に基づいた品質確認を行うための仕組みです。

仮設機材は、繰り返しの使用に耐える品質を維持するため、点検や整備、必要に応じた修理を行うと共に、適切に管理されることが大切です。

当社では、仮設工業会の適用工場制度に基づく管理体制のもと、機材の状態を確認し整備・点検を行っています。

今後も、ユーザーの皆さまに安心してご使用いただけるよう、日々のメンテナンスをしっかり行ってまいります。