注目の新素材!高層建築に使える木材から食べられる素材まで
今回は、建築・建設業界で今後が期待されている新素材について取り上げます。すでに実用化されており、これからますます広がるであろうものから、まだ実験段階のものまで幅広くご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
中大規模の建物にも使える木質系材料「CLT」
CLT(Cross Laminated Timber)とは、ひき板を繊維の方向が直角に交わるように重ね合わせたパネルのことで、欧米を中心にマンションや商業施設の壁材、床材として広く普及しています。
木材利用は「SDGsの17の目標」の中の「12.つくる責任、つかう責任」とも関連しているため注目が集まっており、政府でもCLTを活用した建物への支援制度を整えています。
CLTの特徴
海外では、すでに複合ビルやホテル、共同住宅などさまざまな建物に使用されています。特にノルウェーにある「ミョーサタワー」(18階建て・85m)は、木造の超高層建築として世界的に有名です。
日本でも、個人住宅のほか、クリニック、保育園・こども園・小学校舎といった教育施設、店舗や社屋、クリニックなどさまざまな建物に使用されており、鉄筋コンクリート造と木造を組み合わせた高層木造ビルも登場しています。
出典:児童福祉施設等における木材の利用促進及びCLTの活用について
既存建物への効率的な耐震補強が可能に「CFRP」
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)とは、炭素繊維(カーボン)と樹脂を組み合わせた複合素材です。鉄よりも軽く、高い強度を誇り、建築・建設分野のほか、航空機、自動車、電化製品、レジャー・スポーツ用品などさまざまなジャンルで使用されています。
CFRPの特徴
- 軽い
比重は鉄の1/4~1/5ほどと言われています。 - 強い
鉄の5~10倍の強さがあるとされています。 - 耐腐食性に優れる
錆びたり、腐食したりすることはほとんどありません。
SDGsの観点から復活へ「竹筋コンクリート」
今、東北の5社と日本大学工学部が協力し、実用化をめざしているのが、鉄筋ならぬ「竹筋コンクリート」。コンクリートの補強材として鉄の代わりに竹を使うもので、鉄が不足した戦中の日本で一時的にこの構造の建物が生まれました。
竹は成長が早く、やがて自然に還る環境にやさしい素材です。しかし近年では、放置された竹林が里山を侵食するなどの「竹害」が問題になっています。竹筋コンクリートが実用化されれば、竹を大いに活用でき、SDGsにも貢献できると期待が寄せられています。
廃棄食材を原料にした「食べられる新素材」
毎日、大量に出る廃棄食材を使って作られているのが、ベンチャー企業・fabulaが開発した「食べられる新素材」です。
作り方は、原材料となる廃棄食材(みかんの皮や野菜くずなど)を乾燥させ、粉砕。それを熱圧縮します。こうしてできた新素材は、原材料によってはコンクリートよりも強い曲げ強度を持つことから、今後、建築材料としての使用も想定されているとのことです。
すでに活用され始めているものから、現在実用化に向けて研究中のものまで、幅広くご紹介しましたが、気になる新素材はありましたでしょうか?
こうして見てみると新素材開発も「SDGs」が大きなポイントになっているように感じました。当社アクトワンヤマイチも資源やエネルギーの削減に直結する「卸レンタル業」として、引き続きSDGs達成に貢献していきたいと思います!
※掲載写真はイメージです。
※記事内容はすべて日本でのケースです。