CCUS(シーキャス)とは? 仕組みやメリット、就業履歴の記録方法を解説

はじめに
建設業界では、人手不足や技能者の高齢化が進むなか、将来の担い手を確保していくことが大きな課題となっています。
そのためには、技能者が身につけた技術や現場で積み重ねた経験を適切に評価し、処遇の改善につなげていくことが重要です。
こうした背景から運用されているのが、「建設キャリアアップシステム(CCUS:シーキャス)」です。
CCUSという名称を聞いたことはあっても、その内容をよく知らないという方もおられるのではないでしょうか。
この記事では、CCUSの基本的な仕組みや普及状況、導入するメリット、就業履歴を登録する方法について分かりやすく解説します。
目次
- CCUSとは
- CCUSの開始
- CCUSの普及状況
- CCUSに登録される情報
- CCUSを活用するメリット
- CCUSへの登録は任意
- CCUSの就業履歴の記録方法
- カードリーダーを選ぶ際のポイント
- CCUS対応カードリーダー「EasyPass EP-02」
- まとめ
CCUSとは
CCUSは、建設技能者の資格や現場での就業履歴などを、業界横断で登録・蓄積する仕組みです。
技能者が保有する資格や、これまでどのような現場で経験を積んできたかをデータとして記録し、技能や経験に応じた評価につなげることを目的としています。
建設業では、勤務する会社や現場が変わることも多く、技能者が積み重ねてきた経験を客観的に証明することが難しいという課題がありました。
CCUSを活用することで、会社や現場が変わっても技能者本人の資格や就業履歴を継続して蓄積できます。
国土交通省では、若い世代の技能者が将来のキャリアや処遇を見通せること、技能・経験に応じた適正な評価を受けられること、技能者を雇用・育成する企業が評価されることを目指して、建設業団体と連携しながらCCUSの普及を進めています
CCUSの開始
CCUSは、2018年に登録申請の受け付けが始まり、2019年4月から本格運用が開始されました。
制度の開始以降、技能者や事業者の登録だけでなく、現場での就業履歴の蓄積、技能者の能力評価、建退共との連携など、活用できる範囲が広がっています。
CCUSに蓄積された資格や就業履歴をもとに、技能者の能力を4段階で評価する仕組みも設けられています。技能者が経験を重ねながら、どのようにステップアップしていくかを示すキャリアパスの可視化にも活用されています。
CCUSの普及状況
CCUSの登録者数と利用実績は、制度開始以降、増加を続けています。
国土交通省が公表している2026年7月末時点の利用状況は、次のとおりです。
| 項目 | 利用状況 |
|---|---|
| 登録技能者数 | 約189万人 |
| 登録事業者数 | 約31.5万社 |
| 累積就業履歴数 | 約2億8300万件 |
登録技能者数は、建設業技能者約296万人のうち、およそ6割に相当します。登録事業者約31.5万社のうち、約10.9万社は一人親方です。
技能者や事業者が登録するだけでなく、現場で実際に就業履歴を蓄積する動きも広がっています。
今後は「登録しているか」だけでなく、現場でCCUSを継続的に利用し、技能者の就業履歴を蓄積できているかが、より重要になると考えられます。
CCUSに登録される情報
CCUSを利用するには、事業者と技能者の双方が登録を行います。
1.事業者が登録する主な情報
事業者登録では、次のような情報を登録します。
- 会社名や所在地などの基本情報
- 建設業許可情報
- 社会保険の加入状況
- 所属団体などの情報
登録と審査が完了すると、事業者IDが発行されます。
2.技能者が登録する主な情報
技能者登録では、次のような情報を登録します。
- 氏名や生年月日などの本人情報
- 所属事業者
- 保有資格
- 社会保険の加入状況
- 健康診断の受診状況
- 現場での就業履歴
登録と審査が完了すると、技能者IDが付与され、顔写真付きのICカードである「建設キャリアアップカード」が発行されます。
このカードを現場で使用することで、日々の就業履歴を蓄積していきます
CCUSを活用するメリット
CCUSは、技能者だけでなく、技能者を雇用する事業者や現場を管理する元請事業者にもメリットがあります。
①技能者の資格や経験を証明しやすくなる
技能者にとっての大きなメリットは、自分が保有する資格や現場での就業履歴を、客観的な情報として蓄積できることです。勤務先や現場が変わった場合でも、それまでの経験がCCUS上に残るため、自分の技能やキャリアを証明しやすくなります。
②技能に応じた評価や処遇改善につながる
CCUSでは、保有資格や就業日数などをもとに、技能者の能力を段階的に評価する仕組みが設けられています。技能と経験が見える化されることで、能力に応じた賃金や手当など、適切な処遇につながることが期待されています。実際に、CCUSの能力評価に応じて独自の手当を支給する企業も増えています。
③技能者情報を確認しやすくなる
事業者は、技能者の資格や就業状況などを確認しやすくなります。現場に必要な資格を保有しているか、どのような経験があるかを把握できるため、人員配置や技能者の育成にも活用できます。
CCUSへの登録は任意
CCUSは、すべての建設事業者や技能者に対して、法律で一律に登録が義務づけられている制度ではありません。
ただし、工事の種類や技能者の立場によっては、CCUSへの登録や活用が求められる場合があります。
また、国や地方自治体の公共工事では、CCUSを活用した工事に対して、工事成績評定での加点などのインセンティブを設ける取り組みが進められています。
元請会社が現場の運用ルールとしてCCUS登録を求める場合もあるため、実際に必要かどうかは、参加する工事の発注条件や元請会社の方針を確認する必要があります。
CCUSの就業履歴の記録方法
CCUSでは、事業者と技能者の登録を行っただけでは、現場での就業履歴は自動的に蓄積されません。
元請事業者がCCUS上に現場を登録し、技能者がその現場で働いた記録を登録する必要があります。
代表的な方法が、現場に設置したカードリーダーへ、技能者が建設キャリアアップカードをかざす方法です。
基本的な流れは、次のとおりです。
- 元請事業者がCCUSに現場情報を登録する
- 現場にCCUS対応のカードリーダーを設置する
- 技能者が建設キャリアアップカードをかざす
- カードの情報が読み取られる
- 就業履歴がCCUSに送信・蓄積される
カードをかざす運用を現場で定着させることで、技能者が「いつ、どの現場で働いたか」という履歴を継続的に蓄積できます。
ただし、CCUSカードをかざした際の記録と、企業が行う勤怠管理は目的が異なります。カードリーダーの機種や連携するシステムによって利用できる機能が異なるため、導入前に確認が必要です。
カードリーダーを選ぶ際のポイント
CCUS対応カードリーダーには複数の種類があり、必要な機器や通信方法、設置条件などが異なります。
現場での運用を考える際は、次の点を確認しましょう。
①パソコンや周辺機器が必要か
パソコンやタブレットなどとの接続が必要なもの、通信機能を内蔵しこれらの機器を必要としないものがあります。
設置場所や、現場担当者が毎日操作できるかを踏まえて選ぶことが重要です。
②通信環境に対応できるか
就業履歴をCCUSへ送信するには、インターネットへの接続が必要です。
現場に固定回線やWi-Fi環境がない場合は、モバイル通信に対応した機器などを検討します。
③電源を確保できるか
機器によって、コンセントからの給電やバッテリーへの充電が必要です。
設置場所に電源があるか、充電した状態でどの程度使用できるかを確認しましょう。
④現場の使用環境に適しているか
屋外や半屋外に設置する場合は、防じん・防滴性能、温度条件なども確認が必要です。
カードをかざしやすい場所に設置できるか、雨やほこりを避けられるかといった現場環境も考慮します。
⑤操作や設置が複雑でないか
カードリーダーを導入しても、設置や操作が複雑だと、現場での利用が定着しない可能性があります。
現場担当者だけでなく、実際にカードをかざす技能者にとっても分かりやすい機器を選ぶことが大切です。
CCUS対応カードリーダー「EasyPass EP-02」
当社では、CCUSの就業履歴登録に対応したカードリーダー「EasyPass EP-02」をレンタルで取り扱っています。
EasyPass EP-02は、技能者が建設キャリアアップカードをかざすことで、現場での就業履歴を登録するための機器です。
カードリーダーを購入するのではなく、現場に合わせて必要な期間だけ利用できるため便利です。

- 【簡単導入】カードリーダーに、AC100Vを入れるだけで運用スタート
- 【手間が少ない】朝夕にカードリーダーの起動や終了、PC操作が不要です
- 【屋外OK】屋外設置対応 設置場所を選びません ※別途ACアダプタ用防雨ボックスが必要
- 【自動送信】通信不可時でもカード情報を蓄積 通信復旧で自動送信します
まとめ
CCUSは、建設技能者の資格や現場での就業履歴を登録・蓄積し、技能と経験を適切に評価するための仕組みです。
2019年4月に本格運用が始まり、2026年7月末時点では約189万人の技能者と約31.5万社の事業者が登録しています。
CCUSを活用することで、技能者は自分の資格や経験を証明しやすくなり、事業者にとっても技能者情報の確認や現場管理の効率化につながります。
また、現場で就業履歴を継続して蓄積するためには、カードリーダーなどを利用できる環境を整えることが必要です。
当社では、CCUS対応カードリーダー「EasyPass EP-02」をレンタルで取り扱っています。
現場への導入や必要な機器、利用方法などについては、お気軽にお問い合わせください。